ブリスヴィラ歳時記 波佐見に住まう - ご縁ある人の旅立ち -
- 2021.07.15
- ブリスヴィラ歳時記
梅雨明けの頃
ご縁ある方が、郷里へ旅立って行かれました
素泊まり宿に、半年にわたりご滞在され、ご近所づきあいをさせて頂いた方でした
ブリヴィラには、時々ランドリーをご利用に見え、KANZAにお茶をお誘いしたのが、おつきあいの始まりでした
コロナ禍で、身動きもままならず、じっと過ごす日々・・
でも、来るべきご縁はやってくるものだと実感したものでした
「道具はしまい込んでコーヒーも淹れられないけれど、ちょっと来ませんか」
とのお誘いを受け
「では、お茶をお持ちします」
と、お盆に抹茶セットを用意し、手元にある菓子とお懐紙をのせ
作務衣をはおって出向きました
お好きな菓子を選んでもらい、お懐紙にのせ、お出しした後
茶碗を温めて、拭いて、お抹茶を入れる・・お湯を入れ
波佐見温泉の事、波佐見での食事、波佐見の人々との交わりなど
この半年間の出来事を伺いながら、茶筅を振りました
いらした時は、まだ春が浅い頃でしたが、桜の季節が過ぎ、夏を迎え、旅立ちとなりました
「これまで、大変お世話になりました」との感謝の気持ちを、一碗に込める・・
車に乗り込まれて、旅の無事を祈って、手を振ってお見送り・・
最後の時、お伝えしたい感謝の気持ちはたくさんあり過ぎて、言い切れない・・
だからこそ、この一碗にすべての思いを込める・・
出会いと別れの繰り返しの中で、 お茶のありがたみを感じたひとときでした
2021.7.14 KANZAアドバイザー 中西 智子
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