ブリスヴィラ歳時記 波佐見に住まう - 秋 とある主人と執事の物語 -
- 2018.08.24
- ブリスヴィラ歳時記
その主人が、ある時突然、訴えかけました
「温泉豆腐が食べたい!」
さあ、執事は大変!
「ご主人様、それは、ムチャというもの!こんな暑い夏に何を仰いますか!熱中症にでもなったらどうなさいますか!
どうぞ、お考え直して下さいませ・・」オロオロ・・
主人はモノ言わぬだけに、その思いたるや、頑固そのもの
長年連れ添う執事は、その思いをフツフツと感じます
ああ、これは収まらない・・・と、ふんだ執事、
真昼間に波佐見温泉に走り、温泉水を分けてもらい、
スーパー松尾で田中豆腐店の豆腐と長ネギを買い
台所で調理
卓上コンロを出して土鍋での料理はご勘弁を・・と、取り急ぎ鍋に材料を仕込み、一方で、すり鉢を取り出していりごまを荒擦りし、醤油とみりんを足し、タレが出来上がり
その間に、鍋は、豆腐の角が取れ始め、煮汁が白濁・・
さあ、さあ、豆腐が溶けてしまわないうちに、どうぞ召し上がれ・・
執事が、最高のタイミングを見計らって、主人へ
主人の満足を見届けた執事は、仕上げに うどん を鍋に入れると豆乳風呂となった鍋で、うどんは、白濁したスープをまといより魅力的に!
仕上げのアクセサリーは、小口のねぎ・・
きれいに平らげられた鍋を見て、執事は知りました
「主人は、この夏、私が良かれと思って出していた、スイカやソーメン、冷たい飲み物食べ物、がんがんに効かせたクーラーで、冷え切っていたのだ・・と
秋の声を聞いて、モノ言わぬ主人の心の内を見たのでした・・
出演 / 主人:私の肚 執事:私の頭
秋を前に、お腹が冷えているようです
温めてあげましょう・・
2018.8.23 KANZAアドバイザー 中西 智子
-
前の記事
ブリスヴィラ歳時記 波佐見に住まう - 過ぎ行く夏 - 2018.08.21
-
次の記事
ブリスヴィラ歳時記 波佐見に住まう - 波佐見のシソの香り - 2018.08.27