Bliss Villa 波佐見紀行 師走 その3 大地を踏み鳴らす人々

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 器替えまつりのノボリと万国旗がはためく中、皿山の街には浄瑠璃の音が流れ、それにつられるように、皿山人形浄瑠璃会館に向かいました。
会館は大神宮の境内にあり、神社にお詣りをして、中へと入りました。

建物はまだ新しく、無形民俗文化財である皿山浄瑠璃を育てる場所だけあって、立派な作りでした。

sarayama.jpg演目は「寿式三番叟」と「櫓のお七」
どちらも日舞で馴染みのある演目で、久々に聞く三味線の音の心地好いこと・・
女性の義太夫も、ご立派でした!

三番叟物は、能でも演じられますが、その中でも格が高いものです。
板を踏み鳴らす音は、大地を踏み鳴らす音でもあり、この美しい田畑が続く波佐見に相応しい演目です。

人形が手にするお道具は、鈴と舞扇。
大地を踏み鳴らしながら、鈴で場を清めて種を蒔き、扇を持って、末広がりの五穀豊穣を願います。

大地への祈りと感謝・・・

皿山の人形浄瑠璃は、享保の大飢饉により皿山の人々が困窮していた折、この浄瑠璃を県内で上演してまわり、食料を得て、飢饉を救ったとのこと。土地の五穀豊穣を得られないときには、外からの恵みをもたらす為に、皿山人形浄瑠璃がその大役を果たした歴史がありました。文化を生かした先人の方々の秘話です。

DSC_1780.jpgパワースポットが流行っていますが、地元の人形浄瑠璃でめでた尽くしの言葉と音を浴びれば、運は自ずとひらけるもの・・大地を踏み鳴らして、お宝は足元に・・

波佐見焼を買って、お土産に頂いた大根の美味しかった事!
波佐見の大地で授かったお宝です。
今日の人形浄瑠璃と共に、肚に染みわたりました。ありがとうございました・・

葉を落とした枝垂れ梅に遊ぶスズメが愛らしい、暦の上では大雪の日でした・・・

2014.12.10 ロビーマネージャー 中西 智子