Bliss Villa 波佐見紀行 長月 その2 浮立(ふりゅう)な人々
- 2014.09.30
- ブリスヴィラ歳時記
「浮立」(ふりゅう)という言葉を波佐見で初めて聞きました。
調べてみると、「風流」が語源で、佐賀を中心に分布する民族芸能とのこと。
この辺りは、昔から庶民の間でも「風流」という言葉を意識した文化ある土地柄だったということでしょう。とても興味深く思いました。
熊野神社に向かったのは、棚田祭り真只中の頃・・まだ、案山子を見足らないと思いつつ棚田を後にしました・・この日、波佐見では行事が目白押しでしたから・・ああ、忙し!
境内にゴザが敷かれ、浴衣姿の笛と太鼓の男性がそれぞれ4人ずつ、舞うのは小学生の男子でした。この日はあちこちで浮立が催されていたようですが、神社の境内での催しは奉納に相応しいものでした。
調べた所、太鼓・鉦・笛を打ち鳴らすのは、その音が御霊を送るのに一番効果があると昔から信じられていたからとのこと。足を跳躍させ災厄、悪霊を追い払うのだそうです。
まだ技術も発達していない頃、頼みの綱は、只「祈り」であったはず・・
その祈りが色んな形になり、浮立もまた祈りの一つの形であったのではと感じます。
東京でお囃子に参加していて、笛・鉦・太鼓と、名称ではお道具は同じですが、そのお道具一つ一つが作りも異なり、土地によって、音色の出し方がこんなにも異なるのかと、西と東の文化の違いを知る事ができました・・
今回はご縁あって山中浮立を拝見しましたが、お国自慢ならぬお里自慢の独自の浮立があちこちにあるようで、機会があればまた是非拝見させて頂きたいと思っております・・
理屈では語れないもの、
しかしながら確かに人々の日常に力を与えてくれるもの・・
それが浮立にはあるような気がします
そしてそれが、伝統、文化の力なのだと・・
ありがとうございました・・
2014.09.30 ロビーマネージャー 中西
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