Bliss Villa 波佐見 紀行 文月 その2 一所懸命な人々

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水田.jpg田んぼは、雨が良く似合います。

梅雨の季節の稲の緑は、当に青春真っ只中というような感じを受けます。

降りだしていた雨は、有難いことに散策する頃になると上がり、鬼木では、雨を含んだ稲が、青々とした美しい姿を見せてくれました。

棚田の美しさは、高いところから見下ろす景色の良さもさることながら、坂を昇りながら、目の高さで、青々とした稲を間近に感じられるのが、とても嬉しいことです。

田んぼから田んぼへ流れる水音、苔むした石垣、その間を流れる水音、おたまじゃくし・・

自然の美しさは、人の手が入ってこそ完成すると感じます・・・

人の手を尽くした田畑が美しいのは、人々の愛情がそこここにあるからではないでしょうか・・それは言葉だけではなくて、人が手を尽くした証・・

鬼木の棚田.jpg

石碑のあるところまで登ると、鬼木の棚田の風景は、当に絶景です。

遠くに連なる山々、緩やかな斜面に点在する人家、そしてその中で広がる棚田・・

今日ここにある事に、心から感謝の念を抱かずにはいられませんでした。

ガイドの方の説明では、「上の棚田は、今は人の手が入ってないんですよ。棚田も実際何枚ぐらいでしょうかね・・」とのこと。
目を上に移すと、確かに上の棚田は、緑で覆われてはいるものの、不揃いの緑でした・・・

先日の大型台風の影響が心配されましたが、大雨の影響でしょうか、鬼木でも路面の一部が崩落しており、通行止めの箇所がありました。

毎回、波佐見を訪れては、自然の美しさに心を奪われていましたが、それだけでは済まない自然との共生という厳しい現実を、時として人間は突きつけられます。

眼前に広がる美しい景色というのは、地元の方々の地道な努力によって継承維持されてきた土地・・・
景色の美しさに見とれながらも、自ずと頭を垂れずにはいられない心持にさせられます・・

それこそ「一所懸命」にご先祖様からの土地を守り続けてきた証がこの景色なのだと・・・

波佐見という土地にご縁ができて、私たちにできることは何なのだろうかと考えます。

じっくりと時間をかけて見つけていきたいと思います・・・

2014.7.12 ロビーマネージャー 中西