Bliss Villa 波佐見 紀行 文月  今をカタチにする人々

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窯開け.jpg職人さんが好きです。

そのせいか、これまでも漆塗りや、木地師の方にご縁があったりしました。

波佐見には何回も足を運んでいましたが、今回初めて波佐見の職人の方にお目にかかることができました。

地元の観光の一環として、毎月一回第二土曜日の午後、路地裏巡りというのが催されており、それに参加した時に、窯元を二軒ほど立ち寄らせて頂いた次第。
参加者の意向を聞いてからコースを決められるというとても柔軟な対応にも、波佐見の《土地柄》を感じました。

中尾山の上から下り、窯元を訪れた時には、タイミングよく窯の蓋を開ける時でした。
蓋が開くと同時に、室温が一気に10度ぐらいは上がったような熱気に包まれ、ガイドさんですら「こんな機会はめったにないですよ」と仰っていました。
窯の燃料の歴史は、薪、炭、重油から今はガスに代わって、個人の窯で焼きあげられるようなって、煙突も小さくなりました。
かつて使っていた大きな赤い煙突の先には、草も生えて、今では窯の歴史を物語るモニュメントのような存在です。

仕事を拝見しながら、色々とお話を伺う事ができました。

お道具の事、現在取り組んでらっしゃるお仕事、親子での仕事の住み分け・・・
そこには、あくなき向上心と、昔のやり方に捕われない新しいものを創りだす工夫が感じられ・・

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商社の方に作品をお渡しする時の検査は「それは厳しいですよ!」と笑顔を浮かべ仰っていましたが、その高いハードルすら乗り越えて、生産が追い付かない程の人気商品を作り出された実績に、自負と誇りが垣間見えました。

波佐見の職人さんの力はこれなんだと思いました。

「今をカタチにできる人」

「そこいらを掘れば江戸時代の食器がごろごろ出てくるんですよ」

骨董ばやりですが、それを掘り起こすでもなく、古い食器の埋まる土地の上に家を建て、新しいものを創りだす・・

そんな前向きな力が、波佐見焼きの魅力になっていると感じました・・

2014.7.12 ロビーマネージャー 中西