ホテルを支える仲間たち ―百舌鳥(モズ)―
- 2015.10.28
- ブリスヴィラ歳時記
「百舌鳥の高鳴きですね。これを聴くと、秋だなあと思いますよ」
朝からエントランスを掃き清めていると、お孫さんがいるフロントスタッフが、隣家のアンテナの先にとまっている鳥を指さして教えてくれました。
波佐見では、稲刈りも終盤を迎え、稲を刈り取った田んぼでは、藁ロールがコロコロ転がっています。
百舌鳥は、「キーキー」と高い声で鳴きます。
胴体はベージュの背中に白いお腹、顔は目の周りがパンダのように黒く縁どられ、ふっくらとしています。長い尾をひょこひょこ動かす姿は一見、愛嬌たっぷりの印象を受けます。が、その本性は、鋭いくちばしで爬虫類を捕らえて、枝に串刺しにするという、凶暴な一面があります。
剣豪宮本武蔵が描いた「枯木鳴鵙図」では、鋭い眼差しで獲物を狙う、高い枝の先にとまった百舌鳥の姿が描かれています。百舌鳥を初めて意識したのは、この絵を見た時からでした。
見る人によって、この世のものは、姿が変わります。一人一人が持つ、異なる主観があるからこそ、その表現が面白く、そのものが持つ色々な面が見えてきます。その点、絵というものは、描かれる対象物と、描く人とが織りなす独自の世界と言えるでしょう。
百舌鳥は、一羽だけで縄張りを持つそうです。それを勝ち取るために、秋の初めには激しい戦いをしますが、11月には縄張り争いを終え、一羽きりで冬を迎えます。
エントランス先に見えた百舌鳥が、ブリスヴィラ界隈を制したモズでしょうか・・
百舌鳥の高鳴きが聞こえて75日すると、霜が降りると言われています。
波佐見にも冬の足音が近づいているようです・・
2015.10.27 ロビーマネージャー 中西 智子
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