Bliss Villa 波佐見 紀行 弥生 その2:中尾山

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波佐見の見学に先ず訪れたのが、中尾山でした。
波佐見の陶磁器の歴史はここから始まったと言っても良いでしょう。
車がないと、行き来が不便な山の斜面に位置するこの場所は、それがかえって幸いし歴史風土を今に残しているように思われます。

 日本の日常食器の源流は波佐見焼にあると言われています。
有田焼は日本初の磁器を生み、華やかな色彩で多様な美を育て上げてきましたが、ほぼ同時期に磁器の生産に成功し、庶民の生活に寄り添うようにして続いてきたのが波佐見焼でした。
「くらわんか碗」や酒や醤油入れに使われていた「コンプラ瓶」は、海外にも販路を広げた代表的な器とされています。
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 今回は、中尾山の中腹に位置する赤伊倉という器のお店を訪ねてみました。明治23年建築の旧住宅を一部改修した建物は、今では文化財にも指定され、波佐見焼をじっくり、のんびりと楽しむ場所です。
1階は現代の器、2階には波佐見焼の骨董を中心に置いてあります。
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良く清められた広い座敷に、趣のある棚が置かれ、波佐見焼の一つ一つが大事に陳列されており、その心入れに魅せられます。
日当たりと風通しの良い空間に、自然との共存を大事にしていらした波佐見の人々の生活と歴史を味わえる場所でした。

 散策する間に、川の流れる音が絶え間なく聞こえ、川沿いの欄干には、波佐見焼の模様や壺等が施され、目を楽しませてくれます。
春先とあって、川沿いの土手に咲き乱れる、満開の菜の花・・・

 ソメイヨシノの蕾が膨らみ始めて、四月の桜陶祭には、さぞかし見事な景色を作り出してくれることでしょう。窯ごとに桜陶祭用の陶箱を作り、弁当として販売する催しは、なかなかのアイディアです。花より団子、一挙両得のイベントに人が集まらないわけがありません。

催し物は、人との交流の場を作り、元気の元になります。
波佐見はそんなワクワクできる場所だと感じております。

2014.3.18 ロビーマネージャー 中西